過払金のテレビ、ラジオのＣＭは未だに多い

先日、平日に仕事を休むことになり、久しぶりにテレビで昼間の情報番組を見ていました。すると債務整理や過払い金のＣＭが流れてきました。

落語家の方が、過払金について落語の演目のように話しているＣＭです。数年前は盛況だった過払金のテレビＣＭも最近はすっかり少なくなったと思っていたのですが、昼間のテレビやラジオのＣＭは未だにかなりの数が放送されているようです。

テレビ、ラジオＣＭを流す弁護士に依頼すべきか。

テレビやラジオのＣＭを流す弁護士、司法書士事務所は、過払金請求に特化しているから、過払金の請求はＣＭの事務所に依頼したほうがいいのでしょうか。

ＣＭを流す弁護士事務所は、過払金請求が特別に得意という訳ではありません。そのような大手弁護士事務所は大量の案件を抱えており、大量に雇用した事務スタッフで分業して事務処理を行います。例えば、相談の電話がかかってきたらヒアリングする相談担当や、消費者金融等に受任通知を送る担当、取引履歴の利息制限法に基づく引き直し計算をする担当、業者と和解交渉する担当、訴訟担当等、事務所内部で業務が細分化されています。そうすると担当者は個々の依頼者（顧客）の顔も知らないことになり、個々の依頼者の事情は無視して、事務的、画一的な処理を機械的に行うことになります。その結果、一定レベルの業務を行うものの、必ずしも早くて、きめ細かな処理とは言えないことになります。

丁寧な、依頼者から見てよい処理を期待するならむしろ、テレビＣＭ等行わない、小規模の弁護士事務所に依頼した方がよいのです。

もっとも、小規模事務所では、極めて良い処理を行う弁護士がいる一方で、かなりずさんな処理を行う弁護士もいるので、そこは事務所ホームページを見たり、相談に行ったときに弁護士の個性を見極める必要はあります。

過払金請求のＣＭの弁護士、司法書士事務所の費用は安くはない

ＣＭの弁護士、司法書士事務所は、他の事務所と比べて費用が安いということはありません。むしろ、相場より高いことが多いです。これはテレビCＭ等に多額の広告費をかけていたり、一等地に事務所を構えていることから、費用を高くせざるを得ないのです。

広告ではなく、直接会って説明を聞いてから選んでください

過払金のテレビＣＭ等の大量広告を打つ弁護士事務所は、全てではありませんが弁護士会から懲戒処分を受けたり、突然倒産してしまったり、過去に問題があったことがあります。また、費用は必ずしも安くなく（むしろ高い）、画一的な処理になってしまいます。

結局はＣＭで有名かどうかではなく、依頼をする弁護士が信用できるか直接会って話を聞いて選ぶ方がいいでしょう。

令和3年12月1日