ここでは、刑事事件に関する質問を記載しています。
刑事事件で家族や友人が逮捕された場合、よく聞く国選弁護人や保釈金とは、どのようなものなのかを説明しています。
刑事事件は迅速な対応を求められることもありますので、一人で悩まずにお電話ください。
「逮捕」とは、犯罪を犯したとの疑いのある人(被疑者)の身体の自由を拘束し、引き続き最長72時間拘束を続けることです。逮捕された人は、警察署の留置場で身柄拘束されます。
逮捕には、次の3つの種類があります。
①通常逮捕・・事前に裁判官から発付された逮捕状に基づいて被疑者を逮捕することで、逮捕の原則的な形態です。
②緊急逮捕・・重大事件に当たる場合に、罪を犯したことを疑うに足りる充分な理由があり、緊急を要し裁判官の逮捕状の発付を待っていたのでは間に合わない場合に、まず被疑者を逮捕し、その後に逮捕状を求めるという手続きです。
③現行犯逮捕・・現に罪を行い、または行い終わった者を令状なしに逮捕することです。
被疑者を逮捕したら警察は、被疑者を取り調べて供述調書を作った上で、48時間以内に検察庁に連れて行きます(送検)。
検察官は簡単な取り調べをして被疑者の言い分をまとめた弁解録取書という調書を作ります。そして、検察官は、勾留の必要がある場合には検察庁に事件が送られてから24時間以内に裁判所に勾留請求をします。
勾留請求があると、裁判所に連れて行かれ裁判官が「勾留質問」で言い分を簡単に聞き、勾留するかどうか判断します。
勾留の必要ありと判断すると、裁判官は10日間の勾留を認める勾留状を発布します(勾留決定)。10日間の勾留で捜査が終わらない場合は、さらに10日間勾留が延長されることになります。
一般的には、逮捕されて2日目に検察庁に行き、3日目に裁判所に行き、その後多くの場合は20日間勾留されます。勾留が延長されずに10日間だけで終わることはまれです。
つまり、逮捕されてから23日は間身柄拘束されることになりますが、10日間の勾留期間は勾留請求の日を含めて数えるので、実際は22日間のことが多く、また、勾留満期を待たずに処分を決めることもあるので22日間より短い場合もあり得ます。
勾留期間内に検察官は、裁判所に「起訴」するか「不起訴」とするかを決めることになります。
・逮捕段階は面会できない
原則として逮捕から72時間以内の身柄拘束期間は、家族や友人は本人と面会できません。そのかわり、弁護士は面会することはできますので、この段階でどうしてもご本人と連絡が取りたければ弁護士に依頼して面会に行ってもらうしかありません。
・勾留段階は面会できるが例外もあり
一方、逮捕後10日間(延長されたら20日間)の勾留段階では、家族や友人も面会に行くことができますが、逃亡、罪証隠滅などを疑うに足りる相当な理由があるときは、勾留決定の際に、同時に弁護士以外の者との面会を禁止する決定(接見禁止)が出されることがあります。共犯者がいる事件では接見禁止が付くことが多いです。
接見禁止が付かなければ、家族や友人も警察署に面会に行ったり、差入をすることができます。
ただし、面会できるのは平日の9時から5時ころまでで(昼休み除く)、土日祝日は面会できません。また、平日であっても被疑者が取調中や検察庁に行っている場合は会えません。
面会は1回15分くらいで同時に3人まで面会できます。ただし、面会できるのは1日1組に限られるので、同じ日に他の人が面会にきていたら、その日はもう面会できません。なお、面会には警察官が立会います。
1 弁護人の種類
刑事手続において、被疑者(逮捕された人)、被告人(起訴された人)の利益のために弁護活動をする者を弁護人(べんごにん)といいます。弁護士が弁護人になりますが、資格そのものを指す「弁護士」とは区別して用いる概念です。弁護人は、国選弁護人と私選弁護人の2種類あります。
・国選弁護人(こくせんべんごにん)
国(裁判所)が選任する弁護人を国選弁護人といいます。起訴される前の被疑者の段階では国選弁護人は付かなかったのですが、2006年から被疑者段階でもある程度の重罪事件について国選弁護人が付くようになりました。
・私選弁護人(しせんべんごにん)
被疑者・被告人またはその家族が選任した弁護人を私選弁護人といいます。
2 国選弁護人と私選弁護人の違い
弁護人としての権限は国選弁護人も私選弁護人も同じですが、両者には以下のような大きな違いがあります。
(1) 私選弁護人の方が早い段階で選任できます
国選弁護人は、原則として起訴される前の段階では付きません(※1)。一方、私選弁護人はいつでも付けることができますので、逮捕直後の早い段階から弁護活動を始めることができます。一度起訴された後は、極めて高い確率で有罪判決が下されますから、起訴前に弁護活動を行うことで不起訴にするメリットは高いのです。
(2)在宅事件(逮捕されていない事件)では被疑者国選弁護人は付きません
被疑者国選弁護人は、勾留決定後に選任されますが、逮捕勾留されずに捜査が進む在宅事件では捜査段階では国選弁護人をつけられません。
この場合、私選弁護人だけが活動できます。
(3)私選弁護人は自分で弁護人を選べます
国選弁護人は、国から選任されるので自分や家族が選ぶことはできません。また、担当した国選弁護人が気に入らない場合も国選弁護人を代えることは原則としてできません(※2)。国選弁護人も熱心に活動する方はたくさんいますが、全員が熱心とは限りません。しかし、私選弁護人であれば、まず自分や家族が会ってから依頼するかを決めることができます。
(4)費用の違い
私選弁護人の費用は、その依頼人が負担します。一方、国選弁護人の費用は、原則として国が負担することになりますが、常に無料とは限りません。ある程度支払能力がある被告人には、被告人に訴訟費用の負担を命じる判決になることもあり、その場合は自己負担です。
※1 一定の重罪事件(死刑又は無期若しくは長期3年を超える懲役若しくは禁固にあたる事件)では被疑者国選弁護人が付きます。
※2 新たに私選弁護人を選任することはできます。
当事務所から最寄の警察署である、「町田警察署」の事件は重点的に扱っていますが、その他小田急線沿線の警察署は事務所の立地から接見に行きやすいので、刑事事件のご依頼をするにも都合のよい警察署です。
また、その他の多摩地域、東京都全域、神奈川県の警察署の事件も扱いますが、事務所から遠い場合は、頻繁に接見に行くのが難しくなります。
行きやすい警察署は次のとおりです。
町田警察署(小田急線・JR町田駅)
新宿警察署(小田急線・JR新宿駅)
北沢警察署(小田急線梅ヶ丘駅)
成城警察署(小田急線千歳船橋駅)
多摩警察署(小田急線向ヶ丘遊園駅)
多摩中央警察署(小田急線・京王線多摩センター駅)
麻生警察署(小田急線新百合ヶ丘駅)
その他比較的行きやすい警察署は次のとおりです。
渋谷警察署(JR渋谷駅)
八王子警察署(JR・京王線八王子駅)
南大沢警察署(京王線南大沢駅)
府中警察署(京王線府中駅)
相模原北警察署(JR・京王線橋本駅)
相模原警察署(JR相模原駅)
相模原南警察署(JR古淵駅)
座間警察署(小田急線座間駅)
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